皆さんは論文というとどのような印象でしょうか。
・なんとなく信頼できる
・正しい情報
・それっぽいことがかいてあるけどいまいち信用できない
・権威性がある
当サイトでは大量の論文を紹介しますが、
論文や研究のデータの質には大きな差があります。
研究する際には「自分が正しいと思うこと」を仮説を立てて、実験をします。
人がやる事なので、どうしてもバイアス(自分が正しいと思うこと)がかかってしまいます。
ですので、例えば、
この飲み物を売りたい!
と思ったときにその販売元が研究をするとどうしても売る側に有利な論文になりがちです。
それらのバイアスがかかっているかどうかはどうしても、
他からの視点や数が重要になります。
当ブログではそれらを論文の質上、【S~Eランク】
にカテゴリー分けして行きます。(※あくまで当ブログ内で分かりやすいように書いたものですので、一般的には〇ランクなどはありません)
【Sランク】ランダム化比較試験(RCT)の系統的レビュー(メタ分析)
科学的に最も信頼レベルが高いのがRCTの「系統的レビュー(メタ分析)」
になります。
ランダム化比較試験(RCT)が何かというと、
例えば湿布の効用を調べる際に、
【方法】
最初に 参加者をランダムに2つのグループに分ける
グループ1 片方のグループには薬剤が入っていない湿布を渡す
グループ2 片方のグループには薬剤が入っている湿布を渡す
最終的に 3カ月後に痛みの変化にグループ1と2の差がないかを調べる。
【結果】
・差がある程度ある⇒ばこの薬剤は効果がある。
・差がないと判断される⇒効果がない。
のような感じです。
この単体の試験でもかなり信頼度が高いのですが、
人がやっている以上何かしらの実験者の信じた内容に偏る可能性があります。
そのために、そこからもっと信頼度を高めたのが
系統的レビュー(メタ分析)になります。
過去に行われたRCTのデータを大量に集めて、
『適正な基準を満たしたものだけを分析して大きな結論を出す方法』になります。
元々信頼度が高いRCTからさらに精査をしているので、
その結論は折り紙つきです。
【Aランク】観察研究の系統的レビュー(メタ分析)
次に信頼がたかいものが観察研究の系統的レビュー(メタ分析)になります。
観察研究は、特定の人たちを長時間にわたって追跡する方法です。
例えば心血管の症状と朝食を抜きにした時の関係性を知りたいときに
グループ1 朝食を食べる人を探す
グループ2 朝食を抜く人を探す
→ 5年ほど観察して、心血管障害がどちらのほうが高いかを調べるといった感じです。
グループ1と2で症状の違いが出れば関連性がありますし、逆に差がなければ朝食を抜くことは心血管症状と無関係と判断できます。
これらのデータを大量にまとめたのが観察研究の系統的レビュー(メタ分析)
になります。
不確定な要素が多いのでランダム化比較試験よりは信頼度が低めになっていますが、これについてもデータを大量に集めて、
適正な基準を満たしたものだけを分析して大きな結論にするので信頼度はかなり高い部類に入ります。
【Bランク】1つ以上のランダム化比較試験(RCT)
先にSランクで記載したRCTですが、単体でも信頼性が高いものになります。
その中でも質が高いものを探すのであれば
・実験の参加者が多い
・実験の期間が長い
などやはり数が多ければ多いほど信頼度が上がります。
ただし、やはり単体のグループがやることなので、間違えることもたまにあり、系統的レビューで後から否定されることもあります。
お勧めは、自分に都合がいいRCTがあったら、
自分に都合の悪いRCTは出てないかと見てみるといいと思います。
どちらの結果も出ている場合ちょっとした条件付けでも変わることがあるので、注意が必要です。
【Cランク】観察研究
次に信頼が出来るのが、観察研究になります。
観察研究では系統的レビューと同様RCTよりは信頼度が低くなります。
その中で質が高いものを探すのであれば
・調査した人数が多い
・追跡した年数が長い
・国が多種多様
・人種が多種多様
こういった研究が積み重なって質の高い系統的レビューになっていくので、
どんどん出てきて欲しいところではありますが、
信頼しきるにはちょっと弱いかな~とおもうので、
「そういう結果が考えられるんだ!」位で考えて頂ければと思います。
【Dランク】動物実験、生体外実験
次に信頼度が高いのが動物実験と生体外実験です。
動物実験→マウスなどを使用
生体外実験→ヒトの細胞などを使用
になります。
例えば骨折の時にどんな成分が出るのかな~
とか調べるときには人の骨は使えないので
まずはマウスを使って実験をしていきます。
もちろん、ヒトとはちがう生物なので全く同じになることはないですが、
例えば運動器を見る仕事をしている私たちは骨のことなどはこのような実験から新しくわかることが多々あります。
自分の興味のある分野はこのあたりの話は面白いと思います。
【Eランク】専門家を含む個人の意見
当ブログでは専門家の意見であっても個人の意見の信頼度は一番低くさせて頂いいます。
もちろん、その人が信頼出来ないというわけではありません。
基本的に信頼が出来る方の話を記載していきますが、
世の中には
「医師が監修した!」
「〇〇の専門家が認めた!」
などありますが、
参考程度にしておくのがよいです。
専門家の意見でそうなんだ~と思ったら、
それに関する論文を探すクセをつけるとニュースとかもっと面白く観れると思います。
【まとめ】
もちろん【Sランク】が最も信頼度が高いものになりますが、
下のランクが信頼度が全くないわけではありません。
下のランクを積み重ねると【Sランク】に近づくと思って頂ければと思います。
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