【運動でかなり予防できる。乳がん、大腸がん、糖尿病、虚血性心疾患、虚血性脳卒中】

【この記事はこのような人にお勧め】

・運動をする意味を見いだせない
・糖尿病が心配
・心疾患が心配
・脳卒中が心配
・乳がんが心配
・大腸がんが心配

運動と病気の可能性についての系統的レビューになります。

ここで先に メッツ/METs という単位についてですが、色々な運動を比較しやすくわかりやすく使用という単位で

安静時(横になったり座って楽にしている状態)を1とした時と比較して何倍のエネルギーを消費するかで活動の強度を示します。

歩く、掃除機をかける、洗車をする、子供と遊ぶ(中強度)3~3.5メッツ/分

やや足歩、ゴルフ(ラウンド)、通勤で自転車に乗る、階段をゆっくり上る 4~4.3メッツ/分

ゆっくりとしたジョギングなど 6メッツ/分

エアロビクスなど 7.3メッツ/分

ランニング、クロールで泳ぐ、重い荷物を運搬する 8~8.3メッツ/分

(厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト 参照)

のようにされています。

ではどれぐらいの運動をすればいいのでしょうか。

【論文】

2007年から2010年に中国、ガーナ、インド、メキシコ、ロシア、南アフリカで実施された世界の高齢化と成人の健康に関する調査、および1999年から2011年に米国の国民健康栄養調査から得られたデータを使用して、

174件の記事、約1億5千万人のデータをまとめています。

かなり人数が多くて地域も広いので、信頼度が高そうです。

身体活動がないことを報告している個人と、総活動レベルが600 MET分/週(推奨される最小レベル)の人を比べると糖尿病のリスクが2%減ったそう。

⇒ まあしないよりはした方がいいかなぐらいですね。

・600MET分/週から3600MET分/週に増加すると、リスクがさらに19%減少しました。

⇒これはかなり有意に出ています

・総活動量が9000から12000MET分/週に増加すると、糖尿病のリスクはわずか0.6%減少しました。

⇒結構運動をしている人がさらに運動するとちょっとは良くなるけど、そこまでは変わらないかなって感じですね。

さらに、

活動量が不十分な人(総活動量が 600 MET /週未満)と比べて、活動量が高いひと(8,000 MET 分/週以上)の人のリスクの減少は、糖尿病のリスクについては14%、 乳がんでは14%、大腸がんでは21%、糖尿病では28%、虚血性心疾患では25%、虚血性脳卒中では26%だった。

となっています。

ちなみに600分METはWHOが推奨している運動量で、

それではかなり足りなそうです。

これを見る限りでは8,000 MET分 /週くらいがいいのかなと思ったのですが、

3000-4000MET分/週より高いレベルで効果が下がっていったそう。

8000MET分出来ればいいですが、

時間の事と健康のことを考えると3000~4000METSでいいのかなと思います。

具体的な運動でいうと

ウォーキング:17時間~22時間
ランニング:6時間~8時間位

ぐらいになります。

それ以上の運動でもいい影響がありますが、

時間とやる気の兼ね合いかと思います。

【まとめ】

運動の強度によって、もちろん違いはありますが、一日1時間ぐらいの運動は必要かなと思います。
ただ今回使ったMETSというのは日常の生活でも使えて、上記で記載されている通り、「掃除機をかける」ような活動も運動と数えられます。

別記事で、NEATというのを紹介しようと思いますが、簡単にいうと、「駅のエスカレーターを階段にする」ってだけでも運動量って変わるよねってことなのですが、
運動習慣をつけるのも大切ですし、1日一時間も運動出来ないという方は、

日頃の通勤なども工夫して体を動かす習慣を身につけて、健康の為に少しでも運動量を増やして頂ければと思います。

参考文献/著者

https://www.bmj.com/content/354/bmj.i3857

本内容は科学的論文等に基づき考察したもので、必ずしも全ての人に当てはまる内容ではありません。実践しても効果が得られない場合、専門家に相談することをお勧めします。

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