・運動をしすぎて体調を崩さないか心配だ
・頑張りすぎてしまうので自分で限度を決めたい
・運動って免疫にいいって聞いたけど結局どっち?
先日、テレビで専門家が鍛えている人がコロナとインフルエンザにり患してしまい、「運動のしすぎは体によくない!」と医者が言ってたと相談を受けました。
前提が抜けてしまうと話がおかしくなってしまうのですが、
ニュースで伝えられている人は体脂肪率6%で滅茶苦茶ストイックに運動をしている人でした。
確かに、ここまで体脂肪率が下がると免疫に影響が出そうですが実際、どれぐらいで免疫に影響が出るのかを調べた論文を紹介します。
【論文】
この研究は、免疫チェックポイントHLA-G(sHLA-G)分子の血漿可溶性レベルを、77人のボディービルダーと64人のコントロールの間で比較することを目的としています。免疫の指標と脂肪量、筋肉量指数の関係性を調べたんですね。
ちなみにHLA-Gは自然免疫および獲得免疫系細胞の活性を抑制する機能があり、免疫反応のいくつかのステップを阻害するとされています。
(増えると免疫的には良くないとされている)
対照的に、移植された臓器や自己免疫疾患では、HLA-Gの発現が有益な効果を生み出す可能性があるので、悪いものという認識ではなく、あくまで通常多いと免疫にはあまりよくないんだな程度で見ていただけると。
被験者は
男性ボディービルダー 50名(平均年齢33.6歳)平均体脂肪率6.5%
女性ボディービルダー 27名(平均年齢33.2歳)平均体脂肪率10.6%
一般男性 40名 (平均年齢23.5歳)平均体脂肪率16.7%
一般女性 24名 (平均年齢28.0歳)平均体脂肪率28.7%
で行われています。
グループ間の年齢差がほぼ10歳であることも考えらていて、4つの研究グループの年齢と性別による有意差も確認したところ、有意差はなかったので、グループの年齢差は考えなくて良さそう。
結果として、
ボディービルダーの間では女性より男性のほうが免疫が弱い(血漿sHLA-Gレベルが高い)
男性ボディビルダーは、体脂肪率と筋肉量の相関が認められた(体脂肪率が低いほど血漿sHLA-Gレベルが高い)
となっています。ただ、女性に関しては有意性が出ていませんでした。
これは個人的な感想ですが、脂肪が多いと慢性的な炎症が引き起こされるとされているので、女性の平均体脂肪率が男性の差が10%ですが、女性は18%あるので、体脂肪率20%位の女性の統計が取れるとまた面白い結果が出てくるかなぁと思います。
【まとめ】
通常の生活をしている人であれば、
運動のしすぎ!ってなることは基本的にはないので、
そこははっきりと気にしなくていいのかなと思います。
むしろ運動不足での体への悪影響の方が多い人がほとんどです。
トップアスリートや、本当にトレーニングにはまってストイックに毎日やっている人はこの辺りは気にしたほうがいいのかなあってレベルですね。
参考文献/著者
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7526911/
本内容は科学的論文等に基づき考察したもので、必ずしも全ての人に当てはまる内容ではありません。実践しても効果が得られない場合、専門家に相談することをお勧めします。
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