成人の慢性疼痛に対する湿布などの効果

【この記事はこのような人にお勧め】

・慢性疼痛に湿布って効果があるの?
・慢性疼痛を少しでも良くしたい
・湿布の薬剤について少し詳しく知りたい

痛みはなるべく減らしたいものですが、
慢性疼痛に悩まされることも多いと思います。
よく、「湿布って効果ありますか」と聞かれることがあります。
あくまでも「痛みを減らす」ということですのでご注意下さい。
というのも、湿布に使用されている薬剤のほとんどはNSAIDSという
ステロイドじゃない痛みを抑える成分です。
その痛みの抑え方なんですけど、
炎症の途中のサイクルを止めるので、
痛みを抑制するだけで、原因の部分が治るとは違います。
(例えば、変形で神経を刺激している場所を薬で痛みを止めても痛み止めを止めたらまた痛くなる)

ただ、痛みを抑えることで原因自体が良くなることもあるので、
痛みを抑える効果は知っておきたいところです。

【論文】

34の研究の7688人の参加者から情報を入手しています。

局所NSAID(湿布やゲル剤、スプレーなど)とプラセボ(薬剤の入っていない湿布等)と経口NSAID(飲み薬)を比較しています。

使用された局所NSAID(湿布やゲル剤、スプレーなど)はジクロフェナク、ケトプロフェン、ピロキシカム、エルテナク、フェルビナク、フルルビプロフェン、ピケトプロフェン、ニメスリド、フルフェナメート、インドメタシン、およびイブプロフェンでした。

これらは、薬局等に行くと湿布にでかでかと書いてあったり、成分表に書いてあったりするのですが、

ざっくり、同じような成分でどれも鎮痛に効果があると言われているものになります。

結果をまとめると

慢性的な筋骨格系の状態による痛みを軽減するために、プラセボよりも有意に効果的でした。(少なくとも11~16%)

最も効果があったものはジクロフェナクで湿布材とゲル剤とも効果はありましたが、湿布材のほうが効果が高くなっています。

局所NSAID(いわゆる湿布など)と経口NSAIDの直接比較では、有効性に違いは見られませんでした。つまり、飲み薬と同じぐらい効果があるってことですね。

一方副作用としては、経口摂取とプラセボと比べると、軽度の皮膚反応(かぶれ)などがありますが、重篤になるようなものは無かったようです。
胃腸有害事象は経口NSAIDと比較して減少します。

なので、

胃腸が弱い → 湿布材等
肌がかぶれやすい → 飲み薬

が良いかと思います。

他のNSAIDSに関してですが、
良質なデータが少なかったため、
統計としてプラセボと有意に出ておりませんでした。   
今のところ、NSAIDSの湿布等については、
ジクロフェナクの成分が入っているのが一番効果があるのがわかっているようです。

【感想】

個人的には思ったより、慢性疼痛にも効くな~と思いました。
一応デメリットとして、皮膚のかぶれ等がありますので、ご注意ください。
また、飲み薬よりも消化器系には優しいので、
胃が弱いから飲み薬あんまり飲みたくないよ~って人は湿布やゲル剤の方が良いと思います。
湿布や飲み薬のNSAIDSの成分は当然ですがジクロフェナクがお勧めです。

参考文献/著者

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4160008/

本内容は科学的論文等に基づき考察したもので、必ずしも全ての人に当てはまる内容ではありません。実践しても効果が得られない場合、専門家に相談することをお勧めします。

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